発達障害の方にとって、職場や日常生活での困りごとは多岐に渡ります。
少しでも生活しやすくなるための、
『発達障害専門プログラム』SST:ソーシャルスキルトレーニングをご存知でしょうか。
職場や日常生活での困りごとや、工夫している事などを話し、
コミュニケーションの練習や自分自身についての理解を深めていくトレーニングです。
発達障害の方が普段の生活をより暮らしやすくする訓練です。
空気が読めるようになる、などの効果があります。
北海道でこのプログラムを導入している医療機関は札幌に4か所・恵庭に1か所。
かなり少ないのが現状です。
(2024年3月現在)
今回は恵庭でSSTを導入した、
医療法人盟侑会 島松病院を取材しました。
1.コミュニケーションの練習(会話、頼み事をする、断る、自己主張など)
2.ディスカッション(疾病理解、対処法の検討、周囲への伝え方など)
3.心理教育(感情コントロール、ストレスケア、社会資源の活用など)
約3か月から4か月をかけて、少しづつできる事、対応できることを増やして行きます。
週1回、全20回のトレーニングです。
例えば…
その度合いを把握するためにイラストを使用。
(イラストはイメージ)
イラストを見ながら自分の怒り度はこれくらい、と思う場所に磁石を付けて行きます。
自分は○○度だけれど、周りは○○度、のように自分と周りを理解してみます。
周りと比較してみると、怒り度の高さの違いを感じたりすることができるので、
『こんなに怒らなくても良いのかな・・・?』
そんな気付きになる場合も。
自分の感情をイラストで可視化し、この度数の時にはこうすると良い、などの対処法も解ってきます。
実際にカリキュラムを担当している、島松病院 副理事長 横濱知理先生にお話しを伺いました。
SST:発達障害プログラムのカリキュラムを実施していくと、
どのような事が出来るようになりますか?
SSTとはソーシャルスキルトレーニング(社会の中で他人と係る際に必要なスキル)の事です。
発達障害の方が、周りとの関わり方をより円滑にできたり、周りと合わせる事ができるようになる事を目指します。
どのような方が対象ですか?
島松病院の外来受診をされている方で、対象は18歳から40歳。
発達障害の診断を受けている方、原則全20回のプログラムに参加できる方が対象です。
具体的にはどのようなカリキュラムですか?
カラーで分かりやすい図などを使ったテキストを使用して進めて行きます。
全20回、基本的には週一回ですが、休みの週もあるので約4か月間のプログラムです。
一日の流れを教えてください。
9:30 はじまりの会
1分間スピーチ
9:40 ウォーミングアップ
ゲーム・ストレッチなど
9:50 宿題の確認
前回のプログラムのおさらい
10:00
各回ごとに決められたテーマを発表
12:15 帰りの会
感想など
12:30に終了
どのような宿題ですか?
例えば『名前を覚える』というカリキュラムの場合、次の回には覚えてきた名前を呼んで発表する、という流れです。
挨拶の時にはしっかりと相手の目を見るなど、名前を覚える時のコツなども学びます。
実際に参加された方はどの様な様子ですか?
自分から話しかける事ができなかった方が、病院内で明るく会話ができるようになった様子を見た時は驚きました。
カリキュラムで学んだ事がその方の自信に繋がったようです。
コミュニケーションの変化を感じています。
今まで躊躇していた3人以上の会話に入れるようになった、職場で困りごとを上司の方に伝える事ができるようになった、という話を聞いています。
発達障害という分野は精神科の中でも注目されてます。
診療しているクリニックが少ないのが現状です。
ご家族の方、ご本人、少しでも気になる方は、お気軽に【医療法人盟侑会 島松病院】までお問い合わせください。
医療機関名 | 医療法人盟侑会 島松病院 |
場所 | 北海道恵庭市西島松570番地 |
受付・診療時間 | 受付 8:00~11:30 診療 9:00~12:30 |
休み | 土日祝日 |
TEL | 0123-36-5181 |
駐車場 | 有 |
SNS等 | 公式HP |
取材:2024年3月12日・パーソナリティ塩谷薫